公益社団法人 日本水環境学会
日本水道新聞掲載コラム > 水環境懇話会 活動成果

連載 水環境懇話会の活動と成果

〈第8回〉わが時代の活動⑥

元代表幹事 中園 隼人氏
垣根を越えた議論の場に

■参加したきっかけ

 私は、大学院修了後、平成19年4月に東京設計事務所に入社し、会社の先輩で当時代表幹事の馬場未央さんにお誘いいただき、会に参加するようになりました。
 19年4月20日に初めて参加し、花木啓祐先生(東京大学)の「地球温暖化防止と資源循環の面から見た下水」の講演を拝聴しました。ご講演の中で、22世紀の地球環境に関するお話があり、私は「これからは地球全体を俯瞰し、中長期的な視点を持ちながら仕事をしなければならないのだな」と感じ、仕事の心構えを教えていただいたような思い出があります。また、馬場さんも、司会進行と質疑応答で会を盛り上げており、「かっこいいな。ああいう先輩になりたいな」と感じ、社内外で活躍したいと思うきっかけとなりました。

■運営に参画

 21年10月、原宏江さん(当時いであ)が馬場さんから代表幹事を引き継ぎ、私は幹事として水環境懇話会の運営に携わることになりました。原さんの、企画の発案から具現化するまでのプロセスを間近で見て、企画する面白さを教えていただきました。特に、22年8月21日の会では、「水関連事業の国際展開と産官学の連携」と題したパネルディスカッションを企画し、熊谷和哉さん(当時厚生労働省健康局水道課)をはじめ国内外でご活躍の方々をお招きし、充実した会となりました。その後、22年10月に原さんから引き継ぎ、私が代表幹事を務めることになりました。

■当時の所属・業務

 22年10月、私は東京設計事務所の国内事業部に所属しておりましたが、徐々に海外案件の仕事を担当し始めたころでした。当時、独立前夜の南部スーダンで、首都ジュバ市の水道事業の運営維持管理能力の強化を目的とした技術協力プロジェクトに従事しておりました。23年4月から海外事業部(現TECインターナショナル)に異動し、1年の半分程度は海外渡航をしていたため、会の企画運営に十分に参画できず、幹事の皆さんにはいろいろとご協力いただきました。

■携わった活動内容

 代表幹事として自ら携わった活動は、第27~33回水環境懇話会の計7回です。
 水環境懇話会は、「団体正会員の若手技術者等が気楽に参加でき、知識や技術の習得に役立ち、加えて、会員相互の交流を深める場を提供すること」を目的としております。そのため、同世代の先生をお招きし、若手同士で研鑽を積める場となればと思い、寺田昭彦先生(東京農工大学)や岸田直裕さん(国立保健医療科学院)、山村寛先生(中央大学)にご講演いただきました。同世代でありながら、一貫した信念の下、研究課題を追求している姿に触れ、自分も他の人に負けない技術を持たなければならないと痛感するきっかけとなりました。
 また、学生時代にお世話になったV.S.Muhandiki先生(名古屋大学)をお招きして、「技術の国際移転」についてご講演いただきました。当時、海外案件に従事していたこともあり、大変参考になるご講演でした。

■活動の成果

 これまでの水環境懇話会の参加者をリスト化し、また、Japan|YWPのメーリングリストを活用して、参加者への連絡体制の強化を図りました。
 また、第29回の会から講演録を作成し、Websiteに掲載する取組みも始めました。参加できなかった方々も講演内容や討議内容等を把握できるだけでなく、初めて参加される方も会の雰囲気を理解できるようになったことから、会に参加しやすくなったのではと考えております。
 25年12月に井上大輔さん(メタウォーター)に代表幹事を引き継ぎ、現在は幹事の立場で会の運営企画に携わっております。

■今後求められる展開

 水環境懇話会の良さは、ざっくばらんに話し合える雰囲気です。これからも、産官学や年齢の垣根を越えて、議論しやすい場所であれば良いなと思います。若手幹事の皆さんも積極的に会の企画運営に携わっていますので、今後の水環境懇話会にご注目ください!

(JFEエンジニアリングアクアソリューション本部アクアパイプライン事業部)

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