公益社団法人 日本水環境学会
日本水道新聞掲載コラム > 水環境懇話会 活動成果

連載 水環境懇話会の活動と成果

〈第5回〉わが時代の活動④

元代表幹事 馬場 未央氏
会の経験が動機付けに

 私が水環境懇話会に参加したのは、当時代表幹事をされていた田畑氏から「日本水環境学会で若手の会を立ち上げた」という話を伺ったのがきっかけでした。
 田畑氏には、北海道大学大学院の助手を務められていた時にお世話になっており、大学を卒業して就職した後も折に触れてさまざまなご指導をいただいていたこと、「産官学が参加した若手主体の会」という点に興味をひかれ、会への参加を始めました。
 参加当時は、東京設計事務所に入社して5年目で、現在と同様に東京支社の水道グループに所属しておりました。業務で官や学の方にお世話になることはあっても、官や学の「若手の方」と意見を交わす機会はほとんどありませんでした。このため、今後の業務の幅や、普段なかなか本音を聞けない方との意見交換ができるのではという期待を抱き、会に参加し始めたというのが正直なところです。
 会に参加してからほどなくして、幹事を降りたいという方がおられ、私も幹事の末席に加わらせていただくことになりました。幹事となってからは、定期的に開催される懇話会のテーマ決めなどに意見を出すことができ、個人的にはますます会に参加する意義を感じられるようになっていきました。  そのような折に当時の代表幹事がそろそろ交代したいという話があり、幹事の中でも若輩者ではありましたが、幹事皆さんの連絡係のような気持ちで代表幹事を務めさせていただくことになりました。
 代表幹事として、水環境懇話会の講演内容のアレンジや通知を定期的に行うとともに、水環境学会HPへの掲載開始、見学会の開始等、初めての企画にもチャレンジさせていただきました。
 特に見学会は、私が代表幹事の時の初めての企画で、通常の懇話会は平日夕方開催のところを休日開催にすること、場所が都内ではないので参加者によっては参加するために時間を要することなどから、開催当日までは不安な日々を過ごしたことを憶えています。
 しかし、開催当日は予想以上の36人の参加をいただき、休日のためご家族で参加いただけたりと見学会ならではの光景も見られました。仕事を離れた場所で、水環境に関する知見を深められる場という意味では意義深く、何より非常に楽しい会となりました。実績がない見学会に、休日にもかかわらず多大なご協力をいただいた埼玉県環境科学国際センターさまには感謝いたします。
 水環境懇話会では、1回の懇話会に通常2人の講師の方をお招きして話題を提供いただき、開催回数は私が代表幹事をしていた平成21年5月までに23回を数え、また聴講者は毎回15人程度で開催していました。私は育児休暇をいただく際に幹事を退きましたが、会での経験は今でも業務に取り組むときのモチベーションとなっています。
 懇話会は現在では36回を数え、参加者も最近は20人程度と私が代表幹事だった時代よりも多くの方に参加いただけるようになっています。
 すでに人口減少社会となった日本において、上水道や下水道をはじめ、水環境分野に従事する技術者も減少すると見込まれます。産官学が参加でき、かつ気軽に若手が意見交換できる場として、ぜひ存続・発展することを願っています。

(東京設計事務所東京支社水道グループ)

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