システム解析研究委員会(休止中)
●活動の目的と概要
近年水環境分野で扱う研究領域は,処理プロセスの開発や評価,水環境汚染の実態把握に留まらず,社会学や経済学的視点を併せ持ち,より俯瞰的な視野から水環境や水システムを解析評価しようといった領域にまで拡張されてきている.従来工学分野で用いられてきた地理情報システム(GIS)やライフサイクルアセスメント(LCA)などのツールに留まらず,社会経済学分野で発展した様々なツールを水分野に適用しようといった試みも増えている.
この分野が水環境研究における新たな研究領域として国内外に向け発展していくためには,よりインテンシブな研究者間での相互刺激と,異分野研究者からの新たなインプットが必要であると考えられる.
本委員会は,そのような当該分野研究者間のネットワークを築くと共に,上記に挙げた手法に留まらず,異分野からの講師を招いた勉強会の開催により,新たな解析手法を模索し,水環境研究の発展に貢献することを目的としている.
研究テーマの例:
- •衛星画像解析による閉鎖性水域での藻類増殖の評価
- •上下水道システムのアセットマネージメント
- •グラフ理論に基づいた社会ネットワーク分析による水マネージメントでのコンフリクト分析
- •ニューラルネットワークモデルによる浄水場での凝集剤添加の最適化
- •環境経済学的手法(コンジョイント分析やCVM)による水辺価値の計測
- •統計的手法(基礎統計,多変量解析,共分散構造解析,潜在クラス分析など)による水環境・水システムへの住民意識の構造把握
- •多目的最適化による上下水道システム再構築シナリオの提案
●シンポジウムでのセッション開催状況
第21回(2018)水環境をシステムとして評価する解析手法 ーアンケート調査を中心にー
第19回(2016)水環境分野のモデリング-モデルの意義を考える-
第18回(2015)水環境分野のモデリング-適用事例からモデルを考える-
第17回(2014)アンケート調査によって人の意識を明らかにする解析手法
第16回(2013)ライフサイクルアセスメントにおける水環境への影響評価の考え方
●その他の講演会,セミナー,セッション,見学会等
アンケートを用いた合意形成やライフサイクルアセスメント(LCA)等の手法をどのように水環境分野に活かしたら良いのかについてのセミナー形式の勉強会開催予定(詳細未定)