公益社団法人 日本水環境学会
水環境懇話会 活動報告

第38回水環境懇話会 議事録(平成27年9月11日)

三溝 正孝 氏
(株)明電舎 水・環境システム事業部

「 海外でのプラントプロポーザル、EPC事例について 」

 第38回水環境懇話会では、(株)明電舎の三溝正孝氏をお招きし、シンガポールでの工業排水再利用プラントの開設を事例に、海外でのプラントプロポーザルやEPC事例についてお話いただいた。現地のプロジェクトマネージャーをされていた三溝氏ならではの、実体験を基にした海外でのプラントプロポーザルの注意点や現地工事の仕組みなどをご説明いただいた。

 発表後は、現地工事をするにあたっての安全基準や、設計の承認などについての具体的な質問から、モチベーションや一番困ったことは何かといった質問もあり、活発な質疑応答が行われた。

1.経歴紹介

 株式会社明電舎に入社後、公共上下水道分野の電気設備の技術業務に従事した後、マイクログリッドの研究・実証、膜ろ過装置の開発・販売、日本の民間向け用排水処理事業を歴任後、セラミック膜ユニットの開発・販売、海外プラントEPCを経験された。現在は水処理技術における開発・技術関連業務に従事されている。

2.講演及び討論内容

 まず海外でのプラントプロポーザルを行う上で必要な書類や現地工事での手順についてご説明頂いた。処理には微生物を使用するため、微生物を海外に輸出する際の手続きが必要なことや、シンガポールでは設計の承認を日本のように受注者側で行わず、PE(Professional Engineer)という立場の方(シンガポールの技術士)が行うことをご紹介された。

 また、現地の工事は様々な業者で行い、工事作業員もほとんどシンガポール人ではなく、様々な人種のため、日本人の考え方を押し付けないことも大切であるとご説明された。文化を理解し(例えば、断食期間など)、押し付けではなく自発的に行動してもらえる様にするにはどうすればいいかを意識して指示すると良いと事例を交えながらご提案された。

 さらに、海外での仕事の場合、為替の影響を大きく受ける為、その為替変動のリスク管理が大切であり、キャッシュフローについてなどもご説明頂いた。

 その他にも自身の経験を元に、驚いたことや苦労した点などをお話頂いた。

 講演の最後には、動画や写真を元に、シンガポールのプラントでのバーチャル施設見学体験をさせていただいた。

 発表後は、現地工事をするにあたっての安全基準や、設計の承認などについての具体的な質問から、モチベーションや一番困ったことは何かといった質問もあり、活発な質疑応答が行われた。

ご講演の様子(右側立っていらっしゃるのが三溝氏)
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